2013/08/18

シナリオを書くためのソフトウェア的ワークフロー(^-^)/ 【2】 映画制作支援ソフトCeltx


書いてみたら今回は超大作です。日記に入りきらないので三回に分けます。

第一回 シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【1】 日本語縦書き台本への整形
今回の シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【2】 映画制作支援ソフトCeltx
第三回 シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【3】 CeltxとO'sEditorとの連携


日本語の縦書き台本を作る方法です。

前回はO's Editorを使って縦書きに整形しました。


今回はシナリオ制作支援ソフトCeltxを説明します。



(4)オズエディターで脚本書くのでも十分だけれど…
ここから先は、脚本を書く内容の作成支援ってやつです。

そんなもんイラネっていう方は必要ないです。

��そういや小説を書くための文章作成支援機能に書き手が乗っ取られてしまうメタな状況の小説で「敵は海賊・海賊版」ってのがありましたねぇ)



セルテック(Celtx)っていうソフトがあります。映画、舞台、小説、コミックブックなどの物語制作支援ソフトってあたりでしょうか。
Desktop版は無料です。一応書いたものをceltx社のサーバーに保存して、出先のコンピュータのブラウザからログインして続きを書くなんて、クラウドな運用も無料で出来ます。


映画用シナリオ作成支援がとても充実してます。

画面はこんな感じ


色々な方々のコミットでほとんどの機能で日本語は扱えます。日本語が出来てないのはシナリオのPDF整形ぐらいです。

映画脚本を作るとまずはがっつりアウトラインエディタです。左のシーンでそれぞれの柱までジャンプしてくれるので、私のようにラストシーンから書き始めて、オープニング書いて、クライマックス書いて、対応する前ふりのシーン書いてなんてあっちこっち前後東奔西走する書き方もバッチリ大丈夫。



(POINT)この機能で便利なのは、改行二回でシーン代わりの柱、タブキーで登場人物、セリフ、ト書き切り替えになっている事です。

状況に応じてデフォルトの入力モードが変わります。登場人物を入力して改行するとセリフ入力になっているとか。

あとはセリフの人物の名前を書くとこのシーンの登場人物として勝手に登録していってくれるあたりでしょうか。(なんか小説書き支援機能との兼ね合いでセリフの無い登場人物を登録するのは手動でだそうです)


「インデックスカード」のタブを選ぶと、シーンごとにカードが書けます。カードを追加してシーンを書くことも出来るので ハコ書き が出来ます。表示はカード内容と・シーン自体を左上のスイッチで切り替えられます。

一つのプロジェクトにいくつも脚本が作れるので、あらすじ用、アウトライン用、第一稿用、第二稿用と分けて作ったりしてますが、もう少しエレガントなワークフローがあるかもです。



あとは左上のプロジェクトライブラリの”+”アイコンで色々追加できて、

スケッチというドローイング機能が呼び出せて人物やカメラの部品が入ってて簡単に平面コンテが書けたりします。私、15ドルでCeltx Plusというクリップアート集+プロット表示機能のセット買いました。

「シーン詳細」を追加するとそのシーンの質問項目が出て来て、シーン内容を穴埋めで書かされてしまえたり(^-^;

登場人物の造形があやふやになってきた場合用の質問項目とか。
この辺になるともうだいぶ支援機能乗っ取られそうです(^o^)/

でもまあ、このシーン書けるなら乗っ取られてもいいやって事は日常的に良くありますし、

この辺りはミューズを自分におろすための儀式とも言えますね(^-^;

例えばコンテやスタッフや小道具や役者さんやロケハン写真や何やかやをデータベースに放り込んで脚本のシーンに紐付けられたり。そのまま制作・撮影スケジュールを作れたりします。


あとはスマホ用にScriptというアプリを800円で買いました。これ使うとパッドやスマホでシナリオが書けます。ままちょっと出先や電車の中で脚本を弄くれます

まあ簡単なインターフェースに機能てんこ盛りなのでとっつきにくいのもありますし、全部の機能使いこなさなくてもいいような気もします。

最初に例題プロジェクトとして付いて来る「オズの魔法使い」が映画だけじゃなくその舞台化とかノベライズ化とか、そこまでやらんわ!ってボリュームでした。

脚本機能だけ便利に使わせてもらおうかと。



(POINT)脚本の印刷は「植字/PDF」は日本語通らないので、脚本を表示させてファイルメニューの「印刷」から。

��英語で「植字/PDF」やるとキチンとした表紙もつけてくれていい感じなのだけれど、どうもUTFコードを日本語の文字フォントにマッピング出来ないのかな…)



でもこれでやると印刷した台本は横書きなんだよなぁ…

次回はその解決編を!



次回は シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【3】 CeltxとO'sEditorとの連携


前回は シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【1】 日本語縦書き台本への整形







シナリオを書くためのソフトウェア的ワークフロー(^-^)/ 【3】 CeltxとO'sEditorとの連携


書いてみたら今回は超大作です。日記に入りきらないので三回に分けます。

第一回 シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【1】 日本語縦書き台本への整形
第二回 シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【2】 映画制作支援ソフトCeltx
今回は シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【3】 CeltxとO'sEditorとの連携


日本語の縦書き台本を作る方法です。

初回はO's Editorを使って縦書き台本形式で印刷。
二回目は映画製作支援ソフトCeltxを説明しました。



今回はCeltxの出力をO'sEditorに渡して縦書き台本形式で印刷する方法を説明します。





(4-1)でもCeltxの印刷は横書きなんだよなぁ…解決!
さてここで問題が一つ。

celtxって英語圏用なのです。だから脚本を印刷すると、ハリウッド式の横書きなんです。ト書きが一番左で、人名が真ん中で、セリフがその下にインデントして来る下のようなやつです。

��ページ1シーンフォーマットでの印刷や変更部分だけ色変えとか脚本をバインダー運用する前提な機能もついてたりします。

��各国のシナリオ形式ってどうなってるんだろう。ほら右から左の横書きの国とか。アッバス・キアロスタミ監督のシナリオとかどんな形なのか興味あり)




まま個人的なプロジェクトや英語圏の人のプロジェクトならこれでも十分なんですが、日本での映画作りに慣れている人が見ると「なんじゃこりぁ。せめて縦書きにならんか」ともなります。メモやコンテやカット割り書く癖は人それぞれなので。私もカット割りやメモは縦書きが書きやすくて使いやすい。



そこがネックでCELTXあまり導入できなかったのですが、ちょっと前に見つけたTextSSというフリーソフトを使えば何とか出来ます。CELTXの出力を変換してO's Editorに読み込ませる方法です。
複数のHTML&テキストファイルを一括置換 TextSS.net 公式サイト


まずはCeltxで印刷する脚本を表示させて、上メニューから「脚本」→「脚本を書き出し」して、HTML形式で脚本ファイルを書き出しましょう。



で、TextSSを起動して左上の「ファイルの追加」ボタンからさっき書き出したHTMLの脚本ファイルを読み込みます。

真ん中のファイルリストに追加されるのでそれを選択すると、下に内容がプレビューされます。

HTMLなのでブラウザプレビューで見た目、テキストプレビューでソース表示です。


で右下の「次へ」をクリック


まずは左真ん中のテストする文字列の下側の「ファイル読込」で先ほどと同じ脚本ファイルを読込んでおきましょう。

で問題は右の「検索と置換のパターンリスト」です。

ここにテキストの変換方法を記述するのですが,

えーと、残念ながらこの日記にはコードや正規表現が書けないようです。壊れたHTMLタグ書くなと怒られてしまいました。

なので、ここにパターンリストのCVS形式置いておきます。

https://docs.google.com/file/d/0B6LE53D3YbVpTnVORmV6NjFQUE0/edit?usp=sharing

ダウンロードしてください。中身はメモ帳なんかで見れます。



ダウンロードしたファイルを、「検索と置換のパターンリスト」で右クリックして「インポート」で読み込ませればOKです。



上の手順やっていれば左下の「テスト結果」にはHTMLのソースが表示されているはずです。

左真ん中の「テストする文字列」の下の「すべてのパターンでテスト」ボタンをクリックすると、

「テスト結果」が平テキストになりましたでしょうか?シーン柱の前に丸がついたO'seditorが喜んで台本として解釈してくれそうなやつに。

慣れてくればこのテストは飛ばしてもOKですが、何かあったらここで対処できる事だけ覚えていてください。



��Kならばウィンドウ右下の「次へ」をクリック


「開始」をクリック


エラーが無ければ元の画面に戻っているはずです。下のテキストプレビューに変換された平テキストが出ます。



ここでもう一つやっておかなければいけません。上の「特殊操作」ボタンをクリックすると


のウィンドウが表示されるので、「拡張子の置換」タブで拡張子を「.html」から「.txt」に「置換実行」しましょう。



これでTextSSでの操作は終りです。

あとは今変換した脚本.txtのファイルをO's Editorで読み込ませればいつもの通り縦書き日本語台本で表示、印刷できます(^-^)/

O'sEditorで「シナリオ整形」してから印刷するとさらに見栄えがよいかもです。






一応シーン番号はCeltxがつけている分を柱の○の後につけるようにしています。

O'sEditorでもシーンNoを自動的に割り振るので二重に表記されてしまいます。

がCeltxとO'sEditorのシーン番号がずれた場合、現場の混乱の元なのでわざとそうしています。

もしも要らない場合は「検索と置換のパターンリスト」を編集してください。



私の作ったCELTXhtml_toOzEDIT.csvっていう「検索と置換のパターンリスト」はトライ&エラーで作った汚いコードです。

Celtxの挙動もすべて把握してはいないので何かエラーが起こって変換できない可能性も高いです。
その場合はTextSSのヘルプなどを参考に「検索と置換のパターンリスト」を修正してください。



誰か正規表現バリバリな方いらしたらどうぞ心行くまでエレガントに書き換えてくださいませ。

ああ、もしもSEDコマンドが動くような環境を持っていらしたらSEDで処理した方が話が早いと思います。

��もうLinuxもUnixも触らなくなって久しいです。正規表現なんて弄ったの10年ぶりぐらいかも…)





(おしまい)
というわけでシナリオライティングにおけるコンピュータ支援でした(^-^)/

お気づきでしょうが実際の作業的には(4)(3)(2)(1)の順番になるのですが、

��4)(3)(2)(1)の順に手順を省略出来ます。



こんどいつか書く環境ではなく、書き方について自分なりにまとめられたらいいなぁ。

いま「シナリオを書くためのウエットウエア的ワークフロー(^-^)/ 」って90年代臭のするタイトル思いつきました。(^▽^)


では(^-^)/



第一回 シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【1】 日本語縦書き台本への整形
第二回 シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【2】 映画制作支援ソフトCeltx







シナリオを書くためのソフトウェア的ワークフロー(^-^)/ 【1】 日本語縦書き台本への整形


ここのところ中篇映画の脚本を準備をしてたり、自分でも短編の脚本書いたりして色んな方に台本を印刷してお見せすることが多くなってます。



で、たまに「こういう台本形式の印刷どうするの?」と言われる事が。



最近ようやくシナリオライティングやシナリオ作成のワークフローが見えてきたのでそのあたりの、

Windowsなコンピュータで脚本を書く方法を私なりにまとめておきます。

��Macの方は考え方だけ判れば同等の機能のソフトがあればご参考になるかと、確かCeltxはMacでも走ってたような。そういやOSXってBSDがご先祖じゃなかったかな。もしやSEDコマンドで正規表現使ったテキスト変換なんて技が普通に使えたりはしないのかなぁ…Mac全く判ってないんですみません)



ここらで知識の共有に少しだけでも貢献して、お返しできればと思います。(^-^)/



書いてみたら今回は超大作です。日記に入りきらないので三回に分けます。

今回の シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【1】 日本語縦書き台本への整形
第二回 シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【2】 映画制作支援ソフトCeltx
第三回 シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【3】 CeltxとO'sEditorとの連携




(1)まずは出来上がりから



こんな感じのPDFファイルを作って印刷したり、メールやフェースブックで共有したりしてます。



PDFにしておくと印刷や表示ごとにページ数がずれたりしないのでスタッフ・キャストのコミュニケーションがスムーズです。

打ち合わせや撮影現場で「シーン32の『笑える』ってセリフ『好き』に変えない?」「えーとS#32って何ページ?」なんてのは良くあるんで印刷ごとにページがずれてたりしたらややこしい。

スマホが普及したんでPDFファイルで大体の環境で表示できます。

��まあガラケーの方にメールで送らなきゃいけない時はテキストデータで送るしかないのですが)



印刷はネットワークプリントサービスが便利です。ほとんどのコンビニで印刷なので、文書登録しておくと出先で印刷出来ます。シナリオは配布用に大部数をコピーする事も多いのでそのコピー機で印刷できるのは楽ちんです。恐怖の夜中のインク・用紙切れは無いし、打ち合わせで部数が足りない時はその近くのコンビニに駆け込む事も出来る。世の中便利になったものです。
最初に始めたセブンイレブンはネットプリントという別の単独サービスですね。(ベータvsVHSの戦いは太古の進化より永遠に繰り返され…)




(2)で、そのPDFファイルはどうやって作るの?


CubePDFってフリーソフト使ってます。
無料PDF作成・変換フリーソフト CubePDF - CubeSoft
使い方は、何かのソフトで印刷するときに印刷プリンタの選択でCubePDFを選ぶだけ。

これはコンピュータ上でプリンタのふりをするんです。(仮想プリンタって方が判り易いかな)

印刷できるソフトならそのイメージのままPDFになるんでおき楽。





(3)その印刷する台本形式の作り方


オズエディター2ってソフトを使ってます。

O's Editor2
シェアウェアなので30日以上使い続けるには2千円いります。プロ御用達らしい。

��フリーウェアでは VerticalEditorってのもあるようです。 バーティカルエディター 私は使ったこと無くてよく判りってません。使ったらどんな感じか教えて(^-^;)


で、そのO's Editor2はこんな感じ

あ、今、「んっ!?」って思いました?「台本の形はどこ行った?」って。

そこがミソで、ウィンドウの下にタブが並んでるでしょ「白紙」とか「台本印刷」!!! そう、そこで例えば「台本印刷(A4袋とじ)」を選ぶか、

もしくは上のメニューの「設定」→「スタイルの選択」で「台本印刷(A4袋とじ)」を選ぶと


優れものO'sEditorですね。

これはエディターなのでワープロみたいにこんな台本の形の書式設定しているわけじゃなく、データはあくまでも平テキスト、ただしこのスタイルでは表示する時に

・行頭に"○"や"●"なんかが来た時はシーンの柱とみなして長四角で囲んで最初から番号を振る。

・行中に"「"、行末に"」"があったらその行はセリフ行とみなして、適当な高さに揃える。

・そのほかの行はト書きとみなして字下げして揃える。それとページ全体に水平線を引く

ってやって表示させてるだけです。

なんとエレガントな問題解決方法。



書くときに柱の行頭に○を書くのと、セリフに「」を書くのだけすれば自動的に台本形式になっていきます。

台本形式の縦書きのまま書くのもOK。



(POINT)便利なのは上メニューの「編集」→「整形」→「シナリオ整形」選ぶと、台本にした時見やすいように空行などの調整を自動でやってくれます。



あとスタイルはいろんな種類があるのでお好きな形を。私は「台本印刷(A44分割)」ってのを良く使います(長編になるとコピー・並べ替えする手間も料金もけっこうボディーブローのように効いてくるので(^-^;)

スタイルはCtrl+”や「スタイルの設定」で体裁を弄れます。ままほとんど弄らなくて大丈夫でしょうが。



さてこれで一応はそれらしく台本印刷出来ました。

が、しかし、この記事は続くのです。



次回 シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【2】 映画制作支援ソフトCeltx


第三回 シナリオを書くためのソフトウエア的ワークフロー(^-^)/ 【3】 CeltxとO'sEditorとの連携 | 竜屯の拷問映画制作日記 神戸で自主制作映画(自主映画)を作る日々 - 楽天ブログ