空間の映画だと思った。
最初の、主人公がバス停に座ってメモを書いている辺りから、不思議な違和感。カットの多さとイマジナリーラインの複雑な処理。途中で何度か出てくる鏡や窓やテレビを使った虚像でどんどん空間が複雑になってゆく。
それはいつの間にか誰かを 見ている という一方向ではなく、 それを見ている側の誰か もその空間に確実にいることが無意識に刷り込まれていく。
ラストで見てようやくその戦術の意味に気づいた。
ラストのスタジアム。何故か大きな部屋に見えた。
客席から見た舞台でも、舞台から見た客席でもない。
対等な対話の場としての会場。そこで交わされる、呼び掛けと応答。それが拡大して世界巻き込むイメージ。
あのスタンドランプの点滅だって、呼び掛けと応答だった。
ラストのコンサートシーンに向けて仕組まれていたように思う。
あの不思議なカメラ配置と編集はそのためだったのかと。
良い映画でした(^-^)
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