2018/06/20

チコ

事の本当の始まりは私の無意識の霧の向こう。意識して語れる始まりは、この前の日曜の午前四時。

夢の中で誰かに「チコに似てるよ」と語りかけられた。私の夢にいつも出てくる  ”中心の街” の中で。静かで軽い口調なのに不思議と迫力がある響き。

それでぱちりと目が覚めた。

チコの姿を確かめたくなって仕方ない。感情が渦巻いていた。
家にある本のではなく、 「小宇宙―鏡の淵のアリス」 という絵本でのチコの姿。美しい寄り目のアーミッシュのおさなごのチコ。

だいぶ前に調べたら、古本屋さんのサイトでページがあっても売り切れ。価格は10万円前後で取引されていたような稀覯本。買うのは諦めた本。

夜明け前にPCを使い画像検索。
あのチコのいくつかの切れ端を見つける。

ああそういうことか…そういうことか。と意識や理性ではさっぱりわからないまま、まだ半分眠りの世界にある心が感情で納得していく。

不思議な時間を過ごして、ふと画像のサイトをのぞいてみた。古本屋さんの通販サイト。売り切れでは無い!価格は6000円…桁間違えて…ない。
注文を押した。

数年に一度図書館の書庫から出してもらって楽しんできた本。まあ一生そうやってくのかなと思っていた本。
他も見てみたら何が起こっているのか結構流通している。

昨日家に着いたのだけれど、どうにも古本屋さんのラップを開けるのがためらわれる。ページをめくるには静かに私もペストコンデションで開けたい。儀式を必要とするほど感情が騒めいている。
とはいえ家に置いて出かけるのも嫌だ。離したくない。とうとう重い荷物の端に忍ばせて職場まで持ってきてしまった。写真は教室のテーブルの上で撮影。
たぶん数日は持ち歩くような気がする。

夢の中で私に語り掛けてきたのは、当たり前だけれど私だったのか。

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