あなたも私も絶望しているのに、なぜか希望は育たない。 不思議だ。 |
10年前の写真 |
衣笠竜屯Facebook kobe,Japan
この前撮った写真。忙しい時に空を見た。これは数年前の自分なら必ずシャッター切るなあと。私は堕落してしまったのか、それとも私は私から離れてしまったのかもと思いつつシャッターを切る。私が今入ろうとしている世界の価値を私はまだ知らない。 |
今更ながら「天気の子」を観た。古典的な大SFを見事に隠し通して力技で恋愛物に。
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###### 以下もしかするとネタバレになるかも。やな人は観てからね ######
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実は空に潜む生物のSF。
世界を救うのか恋人を救うか。それは滅ぶのか生きるのか。エロスとタナトスの輪舞。混じりあってお互いの中に相手を内包してしまう。死の中に生があり、生の中に死がある。
そういや私は若い頃に作った「魔法世界」で地球なんか壊れてしまえと見得はったなぁ。
涙や雫の形の石のついた黒いブレスレットにチョーカー。
そして恋人からの、渦の中で光る小さな希望のような流れない丸い石をあしらったデザインの指輪。
彼女の絶望はあの指輪を失くすこと。彼の勇気はあの指輪拾ってから。
そしてチョーカーの切れる時。
そういやあの指輪を買うくだりや、あのおばあちゃんの孫のお兄さんくだり、もしかしてタイムトリップもの?と思ったなぁ。うーん、あの演出はなんだったんだろう。
あの兄ちゃん実在してたら、やっぱり水害で亡くなったのかなぁ。あの店員さんも実在してたのかどうか。ちとまだ謎です。
なぜあの生き物たちが彼女を取り込むのか。
もしかするとあの生き物たちを殺戮するのが彼女の役目だったのかも。
人が青空を望むことがあの生物達の繁栄を拒んでいたのかも。
占い師が言った「代償として巫女が消えること、それはガイアのホメオスタシス」
一つの生き物としての地球システムの恒常性。生き物は自らの傷や病を直そうとする。
そう人も地球システムの一部なのだ。ニヤリとしてしまった。この辺の視点・パラダイムは東洋的SFだぁ。西欧ではなかなか出来まい(^^)
人が地球の生き物の支配者の役目をやめた時、どんな生き物が繁栄するのが、地球のシステムとしてあるべき姿なのか。それは人がガイアのシステムの中の存在としてモラル的に正しいことなのかどうか。
人は生き物の一つでしかないのか、それとも人工であれ神に選ばれた特別の存在なのか。それを選ぶのもまた現代の私たち個人個人なのだ。
たぶん、前提として、現代では死んでしまった神の代わりに恋愛を発明したんだという、告発も含んでいる気がしてます。
ラストは滅びだと思う。
彼女が願っていたのは、前半と真逆のことのような。
「私の家族をそのままにしていて」
それが良いか悪いか。たぶんそれはモラルの変化の話。
もしかすると「私の娘が世界を救おうなんて思いませんように」かも。
あそこで指輪してたのかどうか見逃した。また次観たときに観ておこう。
でもここまでやるんだったら正々堂々とセンスオブワンダーやって欲しいなぁと思います。
設定で終わらないで、ストーリーで驚かせて欲しがったなぁ。ここまで出来るんだったら。
君の笑顔を覚えている。
時々ふとした時に思い出す。
困ったような顔も、戸惑った顔も、どうしようもなくあがいていた顔も、それでも目をあげて自分とも世界とも闘っていた顔も。
覚えている。
それを覚えているなら、私が生きている意味はある。
君は私の中で生きている。
これを読んでいるあなたへ、
あなたにこの5分間に起こったこと、この五分間のあなたの感情、あなたがこの世界から受け取ったこと、それはとても豊かな世界。
わかる?あなたの感じた違和感や感じている幸せ。
でも、それは明日になったらほとんど失われている。あなたの記憶からこぼれてゆく。
残るのは常識やルールのフィルターを通した脱け殻。
何を言おうとしているか、わかる?
この今の目の前の豊かな世界をあなたは全て持って生きてゆくことは出来ない。
だから何かを作る意味がある。せめてもの私たちの魂を保存する手段として。
こんなふうに、この今の瞬間瞬間をいとおしく思うのは私だけじゃないはず。
世界へのいとおしさを抱えて、私は何かを作る。