2012/10/16
映画ってもの
昔「ガンヘッド」って映画があった。
はっきり失敗作。
映画会社のロードショー娯楽作だったはずなのに劇場でストーリーが分からない!物語が追えない。何がどうなっているのか分からない。
確か興行もその年の最低だったはず。
だけれど、あれを見た人の間では未だに心地良いい響きとして残ってます。
失敗作だけれどでもとても良い映画なのでした。
志はとても高く誠実に娯楽作を作ろうとしている。それはとても伝わってきて。
けして観客に媚びずへつらわず、だけれど観客に楽しい夢をみせることを頑固に目指してた。
だから未だに忘れられずに失敗作のまま愛している人も多い映画。
他には例えば有名なのでは「ハウス」や「天晴れ一番手柄 青春銭形平次」や「夢」なんかも美しい失敗作かも。いえもう私達が追いついた今では古典的傑作でもあるのかもしれません。
個人的にすごいなぁと思っているというか周りで同意してくれる人が少ないのは「ねらわれた学園」(81年の角川映画のやつ)とか「テラ戦士ΨBOY」(なんてタイトル…orz)とか…あとは滝田洋二郎監督のピンク映画時代の作品達とか。
愛しい映画としか言いようの無い作品。
映画にもやはり何かしら良し悪しはあるのでしょう。たとえそれぞれ別の価値観であるとしても。
私の中では失敗してるか成功しているかとは別に志すところの高さも有ります。
何かが破綻をしていても物語が壊れていても伝わるもの。
もちろん完成された端正な美しい映画もあります。でもこれらはそういう愛おしい失敗作と裏腹なのかもしれません。
志が低ければ端正な成功作にも愛おしい失敗作のどちらにも成れないようか気がしてます。
そしてそういう愛おしい失敗作が積上がって端正な名作を生む土壌になるような気がするのです。
大林宣彦も滝田洋二郎も黒澤明も名監督には違いなく。それぞれのスタッフも映画もきちんと財産になってゆく。
ままこんなことを考えるのはこのあいだ素晴らしいコンペ(The 48 Hour Film Project: 大阪)に参加したから。
そこでほんとうに志の高い凄い失敗作を観たから。
そしてきっちり名作も何本か観れたから。
精進せねば。もっともっと志を高く。
GUNHED507「死ぬ時はスタンディングモードで」
インカ帝国の格言「ひざまずいて生きるより、立ったまま死ぬ方がいい」
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