2010/10/12

Re:宮崎さんは。(10/12)




この間ジブリの「天空の城ラピュタ」のラストと


映画「サイレント・ランニング」のラストが似ているという話を知りました。





有名な話らしいですが、言われてみれば目からウロコです。





「サイレント・ランニング」ってのは70年代のマイナーな低予算SF映画なんですが、けっこう今でもファンがいる佳作です。


うーん、とりあえず映画のオープニングとラストシーンに流れるテーマソングの歌詞でも書いてみますこの映画の何割かはこの歌につきるような気もしてます。大体どういう映画か雰囲気の一面は判るかも。


��英語は赤点もらい続けてたのに機械翻訳は偉大な発明だ(^^;)そんな訳なので話半分に読んでください)


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REJOICE IN THE SUN


[Movie : Silent Running


(written by Diane Lampert / Peter Schickele) Joan Baez]


原詩はSongMeanings | Lyrics | Joan Baez - Rejoice in the Sunとか


REJOICE IN THE SUN - Lyrics - International Lyrics Playgroundとかに





「陽射しの喜び」





子供達は心おもむくままに走る。陽射しのもとで。


森のように子はあるがままに育つ。陽射しのもとで。


終わりの定めはすでにその子の無垢のうちに。陽射しのもとで。





子供達をそばに集めよう。陽射しのもとに。


愛しいものがいつか死ぬこと、そのわけを教えよう。陽射しのもとに。





遅すぎることは無いと教えよう。ひとつひとつ育てればいい。


そして収穫と喜びを教えよう。陽射しのもとに。





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これが透明なジョーンバエズの声で流れて、


映像は宇宙にぽつりと浮かぶ船と…(まあ実際のラストシーンは映画自体で…)





ラピュタのテーマソングでも使えそうな歌詞です。


宮崎駿監督作詞の「父さんが残した 熱い想い。母さんがくれた あのまなざし」ともイメージが重なったりするのは考えすぎでしょうか…。





宇宙にポツリと浮かぶ木。無垢なロボットが今も育てている。





宮崎監督このあたりの70年代SF映画を見てのかなぁ。


以下妄想に妄想を重ねてみます。


もしや「コナン」と同じように内容・テーマ・設定には引かれたけれど、主人公の造形は大嫌いだったのかも。


ブルース・ダーン演じる主人公も70年代のアメリカSF映画にありがちな悲観的なタイプだもの。


世界に一人異を唱える。世界に対して一人異議申し立てする設定自体には惹かれつつ。


だからこそいつか自分で作り直したくなったのかも。





そういえば「ラピュタ」のオープニングが「ソイレントグリーン」のオープニングに似てたり、「ナウシカ」が「デューン/砂の惑星」に似てたりという話もあるようです。





それぞれかなり時代の空気を反映したSF映画です。


たぶん宮崎監督は時代の空気を感じやすいのかもしれません。20世紀の終わりには終末後の世界の設定が多々あったり、それがいつの間にか終末を感じさせない作りになったり。


でもその時代の空気に対する意義申し立ての仕方に他の作家に無い魅力があるのかもしれません。





マイケル・チミノ脚本の「サイレント・ランニング」は暗い後ろ向きな映画ではあります。


「ソイレントグリーン」もデイヴィッド・リンチ監督の「デューン/砂の惑星」も真っ暗、真っ黒。





ベトナム戦争や石油危機の時代もあるのでしょうが、


素直に世界に異議申し立てすると、暗い方向になるよなぁと思います。ある事のアンチはやっぱり暗かったり厳しかったりします。





もちろん宮崎アニメにもそういう暗いベース。恨みつらみや暗い衝動は感じます。がそれを陽射しのもとで明るく魅せてしまうことに長けているのではないかと。


たぶん異議申し立てを明るく元気にやりたい人なのではなかろうかと。





それらの映画を観て、その内容には惹かれたものの、その異議申し立てのやり方が肌が合わずに、いつか自分なりに作り直したいと思ってたのかも。





その落差こそが魅力になってるんじゃないかと。


ふとそんな事を思ったりしました。






不思議惑星キン・ザ・ザ」は笑いとばす方向を目指したんだと思います。


でもやはりダークなコメディになった。


明るく元気に異議申し立てってのは貴重なんじゃないかと。






これ私は宮崎監督がパクってるなんて微塵も思いません。


大体映画作り手はその前に映画の観客なわけです。


映画を作るって言ってしまえば観た映画というモノを自分なりに作りなおす事でしょう。


それを稚拙に単純に引き写してしまったらパクリ。


でも、それを咀嚼解体して新しい何か自分の表現になったとしたら、それこそがオリジナルだと思います。


エイゼンシュテインやチャップリンやグリフィスやジョン・フォードや黒澤やスピルバーグやルーカスやクリストファー・ノーランやなんやかや、みんな先人から学び反発し作り直して、受け継がれてきたんだろうと思います。


その流れを見るのもまた楽しいです。






ブルース・ダーン て ローラ・ダーン の親父さんだったのか。


うわあ。同じ雰囲気あるなぁ。独特の味わい。けして美男美女ではないけれど惹きつけられる雰囲気。


ばらばらに好きな役者さんでした。なんか納得。






長い記事読んでくれてありがとう。


あなたがちょっとでも楽しんでくれたら嬉しいです(^▽^)/










2 件のコメント:

菊地 ウメコ さんのコメント...

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お久しぶりです、ウメコです。
私は映画を観るのは好きなんですが、なかなか歴史的背景とか映画史そのものについては疎くてなんともいえないんですが、
宮崎駿という人物にとても興味をもっていて「出発点」「折り返し点」という彼の著書(というよりインタビューを集めたもの)をよく読みます。
以前から思っていたんですが、ぜひ竜屯さんにも読んでみて欲しいなと思います。
アニメーションという表現方法についてとか、それが与える影響とか、宮崎さんがどういう考えのもと作品を作っているのかとかが垣間見えます。
竜屯さんがどう思うのか、感想をきいてみたいなぁなんて思ってたりもします。
なにぶんとっても分厚い本ですが、機会があればぜひ手にとってみてくださいね。
なんて偉そうに失礼しました^^;

竜屯 さんのコメント...

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菊地 ウメコさん
コメントありがとうございます(^▽^)/
お久しぶりです。
私も宮崎駿監督は興味深いです。
どうもまったく相反する二つの面を感じたりしてます。
「出発点」「折り返し点」読んでみたいなぁ。
きっとそれらの本にまたなんとなく出会うような気もしてます。
��^^)
��お久しぶりです、ウメコです。
��
��私は映画を観るのは好きなんですが、なかなか歴史的背景とか映画史そのものについては疎くてなんともいえないんですが、
��宮崎駿という人物にとても興味をもっていて「出発点」「折り返し点」という彼の著書(というよりインタビューを集めたもの)をよく読みます。
��以前から思っていたんですが、ぜひ竜屯さんにも読んでみて欲しいなと思います。
��アニメーションという表現方法についてとか、それが与える影響とか、宮崎さんがどういう考えのもと作品を作っているのかとかが垣間見えます。
��竜屯さんがどう思うのか、感想をきいてみたいなぁなんて思ってたりもします。
��なにぶんとっても分厚い本ですが、機会があればぜひ手にとってみてくださいね。
��
��なんて偉そうに失礼しました^^;