
中年になってから酒を飲んだ翌日は、どうも気分が落ちる。
脳内ホルモンのバランスかも。
うーん。
まあなんだか悪い気分が悪い妄想に形をとりはじめる。
そんな妄想が胸を痛める。
そんな中で数年前に見たイジー・メンツェル監督の「厳重に監視された列車」の事が頭によみがえって仕方がない。
やっぱりあれは三年殺しな映画だったらしい。凄い映画だった。
童貞の少年が思い余って初老のオバサンにお願いするシーンや、
恋した娘とそういう事になりかけて、まあ早漏というかなんというかで失敗して、嫌われたと早合点して、ホテルの部屋で一人自殺しようとするシーン。
そんなのがなんであんなに美しいのか。
その疑問がずっと頭の中を巡ります。
お笑いな状況なんだけれど、そこにはギリギリの嘘のない本心が見えているような描き方。
たぶんそういう本当のことと喜劇な状況は合うのだろう。
色んないい場年があった映画だけれど、今日はその二つのシーンの事が気になって仕方がない。
いつかあんな美しい場面を作りたいな。

日曜。
港館のミーティングと、
昨年の映画「re:magick」の関係者で新年会。
楽しかった。
ちょっと飲みすぎたかな。

今日はDVD作り。
各動画をMPEG2でレンダリングして
各種メニューやチャプター選択画面作って、オーサリング。
今焼いてます。
なんかようやくDVDの構造に慣れてきました。が世の中はもうブルーレイに行くのかな。
映画館行きたいなぁ。
がどうも気力がない。
やりたい事とやるべき事をはっきりさせて優先順位つけるのは私にはとても高度な作業。
三年寝太郎に憧れる今日この頃です(^▽^)/
と気を抜いていたらMPEG2を作るのに失敗して一部映像が落ちてた…。
いつの間にかクオンタイズ外しててフレーム中にカット変わりが来てました。
くうう、DVD10枚ほど焼いてたのに全部廃棄だ。
もう一度作り直し(+_+)

吉田組の撮影でした。
映画の中の時間設定は夏。
でも現場にはたまに粉雪がちらほら落ちてきます。
出演者はみんな夏の格好。
寒い(^▽^)/

上の子供の学年が、ホールで演奏しました。
フルオーケストラが入れる大きな舞台。
緊張したのかと思いきや、
「客席暗くて全然平気だった」らしい。
小学校の交流コンサートだもの、舞台はとても明るい照明でした。

心が痛むときには
痛みを味わう
体が冷えたときには
冷たさを味わう
いつかまた
作り上げる材料になればいいなぁ

ちょっと長めに歩いてみたら、汗ばみました。
寒さも少し緩んできたのかな。

ドアを押してみると驚いたことに鍵もかかっておらず静かに開いた。
私はようやく高い塔の部屋にたどり着いた。
先ほどの戦いの傷はまだじくじくと痛む。
ともあれあの竜には勝ったのだ。
これでようやく囚われた娘、王の血を受け継いだ姫を救い出せる。
人々との契約を果たしたのだ。
が、その部屋は静か過ぎた。
簡素な卓と椅子にも床にもうっすらと埃が積もっている。
卓に古代の文字の小さな本。
その上に元は小さな花輪だったらしいものが茶色くなっている。触れるとカサリを音を立てて崩れた。
街から遠く見える城の塔。その最上階にある姫が幽閉されている部屋の内の様子は、もとより人々の謎であり話題の一つだった。だがなぜかこういう予想を語ったものは居なかった。
それは最悪の想像につながるからだ。
そういう悪意はいかにもあの悪竜らしいからこそ、人々はその可能性に目を瞑っていたのかもしれない。おそらく街の人々はみんなこの可能性を心の底にしまっていたのだろう。
彼らは意識の上では希望を託すと信じて契約に及んだのだろうが、実際には単に確認という仕事だったのかもしれない。
一つだけまだ目にしていない場所がある。
ヴェールのかかった天蓋付き寝台に目を向ける。
その娘の名を呼ぶ。
返事はない。
剣をベールに差し込み広げる。
嫌なものを目にするかもしれない。
心を凍らせて視線をむける。
そこには竜が眠っていた。
人から悪竜と呼ばれた竜。
今しがた倒したはずの竜が人の大きさで横たわる。
頸部に与えたとどめはしかし癒え始めている。
何かがおかしい。
王の娘をさらい幽閉し、
救出に向った兵士をことごとく血にまみれさせ、
最後には王を辱めた上で街路に叩き付けた竜。
城を巣にし人の声で「この国は我が領土!」と宣言した竜。
夜な夜な退屈紛れの慰みのように男をなぶり殺しにしていた竜。
外出する者が居なくなると統治者への税として成人男子の生け贄を要求した竜。
そして古代の本と花や草木を組んだ跡。
もしや今わたしはとても嫌なものを見ているのかもしれない。
目を開けた竜が首をめぐらそうとして果たせず繊細な飾りの枕の中に落ちる。
覚悟を決めて竜の眼前に立ち王族への礼をとる。
もはや猛々しいものが落ちたその目に問う。
「そなた王の娘か?」
「…いかにも」
「ゆえを問うてもよいか?」
「きくな!…やつは おうに あたいせず」
私はのこの悪竜になり果てた娘の側に立つべきか、
それとも無垢であり続けた人々の側に立つべきか。
「よくぞ街ごと全てを焼き払わなかったな」
それは我が願望を口にしたに過ぎなかった。
「われは とうちしゃを ついだゆえ」
「…すまぬ、女王よ」
「なすべきことをなせ」
私はその黒く腐った悪竜を殺し、
その娘のために泣いた。
街へ行ったのがもっと早ければせめてもう少し早ければと今も悔いが残る。
どこまでも善良な人々はあの事件から善良な美しい物語を作りあげつつあるらしい。
姫の可憐さと無垢と優しさを称えたそれを幾度か聞いた事がある。
我が素性もずいぶん良い方に解釈されていた。
たぶん真相に気づいた者には新たなまた別の物語が必要だったのだろう。
あーまあ、なんか今日ディズニー好きな友人と話してた時に思いついたので、とりあえず形にしておきます。

言葉はあとから作られたから
どうしたって、また生きていくには自分で世界を組み立てなきゃいけない
一度ものの名前を捨てて
一つ一つ見つめていけばいい
よいもわるいもなくただ噛みしめる
それからまた一つ一つ名付けていけばいい
いちど言葉を忘れよう
世界をわすれよう
せかいはあるがままに
そこからひとつづつとりだそう

単なる好き嫌いを超えてもっと深い感情が欲しくて。
だから好き嫌いを一つ一つ重ねて自問自答を繰り返して。
そうして、ふと気づくと今まで見た事の無い風景の中に立っている。
私の外へ、また行って還ってくる。

2月13日に神戸元町のバーで一昨年の「magick」1作目とこの間作った「Twinkle」のミュージックビデオの上映がありそうです。
また本決まりになったらお知らせします。
最近寒さで塵と水蒸気が少ないせいか、美しい光になってますね。
冬の光はきれいなことが多いです。
そういえば佐々木昭一郎監督の「東京・オン・ザ・シティー」は東京の冬の光が本当に美しかったなぁ。
あれは16mmフィルムカメラの手持ちが大きいのかも。
一瞬一瞬の光を捉える機動性とラティチュードの深さ。
普段ニュース映像撮ってた吉田秀夫カメラマンの神業な手持ち撮影にとても合ってた。
そういや使用カメラはこの間載せたボリューの16mmカメラだったような。

最近、長風呂してます。
携帯をジップロックバッグに入れてお風呂場へ。
ゲームやメールなんかしながら半身浴でゆったりしてると小一時間ぐらいあっという間。
心の疲れがほぐれていきます。
ここ数日寒い夜が続いています。すこし窓を開けて冷たい風を顔に受けつつ温かい湯を感じているともうこの世の極楽です。
はぁ?、我ながらおっちゃんになってきたなぁ(^^)
昨日のエロ映画話。
きっと人間を情や神秘で語りたくないのです。
世の中を簡単なことわりで見ることも出来るはずで、実はそういう理解だったものが、どうも深遠そうに見えるイメージや思想や感情やに毒されてしまいブラックボックスになってる日常なわけで、そのブラックボックスを無理やり開けてしまうのも映画に期待されている事のひとつ。
映画で救われたなんてのもそういう事じゃないかと。
SF話で言えば本当にロマンチックなものはゴリゴリのハードSFから出てくることも多いわけで。
人間の機能みたいな事をやりたいのです。
例えば愛情の機能みたいな事を意識すると、それは至上の愛でブラックボックス化してしまうよりもより具体的で深い所へいけるのではないかと。
簡単なことわりの線を語ることで、例えば「愛はすばらしい」なんて手垢のついた恥ずかしい事がもう一度具体的な実感と深みと感動を取り返して蘇るような気がするのです。
きっと表面的なセンスや感性は置き去りにして、その先に。
生まれて育って恋をして子を作り育て死んでゆく。それを情や文化や常識ではなく、理(ことわり)でもう一度最初っから宇宙人のように見直す事によって、蘇るような気がしてます。
そんな映画を作りたいなぁ。
まあこういう呪文は書いてから半年?数年で効いてくるってこともあるので、静かに考えて行きます。

今日は港館の三木一郎と飲む。
今年はどうしようかといろいろ話す。
作りたい映画の事も。
やっぱり性についての映画を作りたい。
変態ってのは結局は文化の事になる。その先には暴力か平和かの話も絡んでくる。
無茶な言い方をすれば平和が変態を生むのか。もしかすると変態が平和を生むのかも。
生きてゆく矛盾をどうやって解決するのか。暴力か変態か。支配-被支配を現実でやるのか、それともいろんな方法で仮想化してゆくのか、さまざまな部分や深さで。
もちろんそれらには愛とは何かってでかい話が絡んでくる。
そんなあたり。
AVやポルノやグラビアやが作った性の定型とはちょっとずれたあり方を確保したいってのも思う。もう一度リアルな表現を取り戻したい。そのへんは伊丹十三監督の「お葬式」のような事に近いのかも。
死と再生の色を濃くした変態エロ映画も、
生きて生む方向のほのぼのエロ映画も
両方やりたい。
さてどうするかなぁ。

今日の昼間は吉田組の撮影。
写真は劇中の小道具で使ったボリュー16mmカメラ。
このカメラの最後の仕事かも。フランス→イギリス→日本と流れ着いて最後のお仕事か。
夕方いったん帰って家事を済ませる。
夜はillyさんのライブ。
なんだか「RE:ありがとう」の出演・撮影・脚本・音楽といろんな人たちが来ててまるで同窓会のような気分。
おかげさまで「RE:ありがとう」の映像も好評でした(^^)
吉田組の車で家まで送ってもらって、今。
すこし怒涛の一日でした。

「RE:ありがとう」でヒロイン遙香を演じてくださったillyさん。(illy official website)
映画の素材で挿入歌の「Twinkle」のプロモビデオ作りましょうって話してまして、
このあいだ無事初版が完成しました。
で、秋ぐらいからのばたばたがひと段落して少しモラトリアム期。
が昨日ご近所に住んでいる映像作家アンディさんと偶然会った。
久々なんで立ち話でえらく話し込む。
DSLRと録音機とマイクの話。
スマップの中居君主演ドラマの映像が凄かったらしい。「味いちもんめ」かな?隣のチャンネルでやってた映画よりクオリティ高い映像だったとの事。DOF効いたソフトな画。一度チェックしなきゃ。
こういう時期に会うのは、なんか誰かに引き合わされているのかも。
生きてるんだし、次なんかやれっー!ってね。
いろんな人の想いの力をもらってるような気もしてます。
映画作りがやみつきになるのはこのあたりかも。
そろそろ一度「re:magick RE:ありがとう」について自分なりにまとめていかなきゃ。

晩御飯に常夜鍋作りました。
豚肉と白菜を交互に重ねて煮る鍋。
酒を多めに入れないと美味しくない。
まあ鍋だからアルコールとぶだろうし大丈夫だろうと多めにどぼどぼ。
子供らにとても好評でした。
で、下の子(小2)がすごいご機嫌です。
何を話しても爆笑。
お茶飲んでお風呂入ったら元に戻りました。
酔っ払うと笑い上戸になるのか…。
「RE:ありがとう」でヒロインを演じてくださったillyさんが1月14日金曜に梅田でライブをされます。
今もしかするとそのライブで使うかもしれない映像を「RE:ありがとう」の素材で作ってます。ちょっと本編映画の番外短編になりつつあります。PVなはずがどうも短編映画ぽい作りになってしまいました。
illyさんのライブ情報はilly official websiteで。

正月も終わって、
いろいろ始まります。
が、
まだ正月気分がぬけません(^^;)

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
よいお年になりますように。
2011年正月