2009/09/26
今日も柳澤壽男監督特集上映に
今日も神戸映画資料館の柳澤寿男監督特集上映に行ってきました。
「そっちやない こっちや」
「神戸っ子」(神戸製鋼所PR映画)
と磯田充子(柳澤監督夫人 )のトーク
を観てきました。
「そっちやない こっちや」
成長することの映画。
最初の方のナレーション、中年男性をフォローする画面に「xx君は40歳を過ぎた今でもちゃきちゃきの若衆である」
ちっと疑問符が浮かんで、ちょっと嫌だなと思った言い方。
…仕掛けられてました。映画の最後の大人の表情…
大人になるとはどういう事か、働くこと、自分で決めること、仲間になるということはどういう事か。
そういうもの持てない状況に置かれた人々がそれらを獲得してゆく過程の記録。
たぶん同じ戦いは日々そこここで繰り広げられている。私も毎日成長したくて右往左往。そういう戦いのためのヒントでもある。
たしかに友や恋や決断のない生活では誰も大人にはなれないよなぁと。
成長は出来ないよなぁと。
「神戸っ子」
神戸製鋼所PR映画、コベルコの中に保管されていた映画だそうです。フィルムはみつからなくてVTRでの上映。
製鋼所の鉄のPR映画なのに神戸で暮らす三人兄弟の一人が自動車を自作する話。買ってきた中古エンジンの部品が壊れてて、特殊綱で直して車を作って。なんじゃこれは!面白い。
1960年昭和35年、神戸の風景。阪急六甲道駅にトアロードに旧居住区に花時計に。私が幼児だった頃まだ残っていた雰囲気。
下の弟が座って絵を描いていた花時計のベンチ。あはは、二十数年後に一人の少年が8mmカメラを持って仲間と共にやって来て、同じ場所のベンチで十分ほどの短篇映画を作るんだ。たぶん色んな人があそこで映画作ったんだろうな(〃^∇^)
六甲山の峠をフレームだけのバギーみたいな車に乗ってドライブ。
グラスファイバー貼った車体載せて派手なオープンカー!本当に走るスポーツカーを映画の為に作ってる!
パートカラーなんだけれど、これが、同じシーン内でカットごとに白黒だったり、セピアにしたり、フィルム着色だったり、カラーだったりと、アバンギャルドな方法!
普通パートカラーってシーン毎にカラーにするかモノクロにするか選ぶもんだと思ってたけれど、これはモノクロとカラーをつなぐ効果探してるのかな。今ならコンピューターでちょこちょこで出来るんでたまにある方法だけれど、この時代は撮影前から計画してなきゃ出来ない。面白い。
確かにいきなりカラーのカット繋ぐことでエンジンやお姉さんの足や作業場の質感は伝わって来た。モノクロの世界でマスカットだけが鮮やかな色がついていたり。
当時カラープリントはカラーネガより格安だったのか、それともプリント本数分だけカラープリントとモノクロプリントをモザイクのように繋いだものか。それとも監督の演出意図でわざわざカラーのコストかけてモノクロのカットを作ったものか。今これを書きながらそんな謎に気がつきました。
退色がひどかったからそのせいだったりして…。
磯田充子(柳澤監督夫人 )のトーク。
柳澤監督、70本ほどの作品を作られたことを知りました。
途中「神戸っ子」で弟をされてた方も客席にいらして飛び入り参加。
50年ぶりに再会したお二人で撮影中のエピソードが聞けたり。
楽しかったです。
明日昼から映画の打ち合わせあるけれど、
午前中の無料上映観てからでもギリギリ間に合うかな。
柳澤監督作品、気に入ってしまったようです。
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